「讃岐うどんの国」で、迷わずに「うどん」を食べるためのお助け情報をお届けします!
讃岐のうどん店は3種類!
一般店
通常の飲食店のように、席について注文すると、注文したうどんをお店の人がテーブルまで運んできてくれます。
セルフ店
カウンターで注文したうどんを受け取り、自分でテーブルへ運び、食後は各自で食器を返却します。
※お店によって様々ですが、「かけうどん」の、麺の温めからだしを注ぐまでを全て自分で行うフルセルフを体験ができるお店もあります。
製麺所
うどん玉の製造卸し店。製麺所の一角に、だし、醤油、薬味、食器などを置いたイートインスペースを備えており、打ち立てのうどんが食べられるのが魅力。
うどんの麺の基礎知識
打ち上がった麺は、釜で約10~15分茹でられ、水洗いされて、1玉ずつ麺コンテナに並べられます。
《麺の段階》
1「釜あげ」
釜から上げ立てのうどん。芯まで熱く、麺は少し柔らかめ。コシの強さは充分。
2「水締め」
水洗いで冷えて締まったうどん。コシの強さを一番実感できる。
3「温め」
2の麺を再度湯通しし、温めたうどん。コシの強さは充分。
4「調理・煮込み」
2の麺に具材ともに煮込むなどの調理が施されただしをかけたものや具材と一緒にうどんを煮込むタイプ。生麺を使うメニューも。
だしの基礎知識
讃岐ではうどんの汁もめんつゆも全て「だし」。いりこ、昆布、削り節などでとった「だし」をベースに、醤油、みりん、砂糖、酒などで調味されています。
だしの種類
- つけだし(めんつゆ)
- かけだし
- ぶっかけ用だし(つけだしのところもあり)…かけだしより濃い口
状態別うどんメニュー
代表的な【メニュー名】(そのメニューを食べるだしの種類)を表記
※この分類に当てはまらないメニューやお店もあります。
第1段階「釜あげ」《茹で上がってすぐのあつあつ麺》
茹で上げた後の水洗いをしないうどん。
【釜あげ】(つけだし)
釜あげのうどんを茹でた湯ごと器にとり、「つけだし」で食べる。
注文のタイミングによっては、麺が茹で上がるまで15分ほど待つ場合もありますが、茹で立ての釜あげうどんはまた格別です。
ちなみに…
「釜あげ」は、水締めした麺より若干柔らかいですが、茹で立てのもっちり感が魅力。麺の表面にヌメリがあり、濃いつけダシがよく合います。のどごしで「旨さ」を味わえるメニュー。
「釜揚げ」「釜上げ」と表記は店によっていろいろ。
▼バリエーション
【釜かけ】(かけだし)
釜あげのうどんに、熱いかけうどんのだし「かけだし」をかけて食べます。
【釜ぶっかけ】(ぶっかけ用だし)
釜あげのうどんに、ぶっかけ用の濃い口のだしを直接かけて食べます。
【釜玉】(醤油)
生卵と混ぜた釜あげで、醤油でいただく。麺の余熱で卵に程良く火が通り、トロトロと絡むのがまた絶品です。
【釜バター】(醤油)
釜玉にバターと黒胡椒が加わった、釜玉の新境地。こちらも醤油で。
「釜あげ」系は対応していない店も。逆に釜あげをベースにトッピングが多彩な店もあります。
第2段階《水で締めた冷たい麺》
茹で上がったうどんを水で洗い、キュッと締め、一玉ずつ麺コンテナに整列。
ちなみに…
茹で上げ、水で締めることで弾力が増す。水で締めたこの段階の麺こそが本来の讃岐うどんの姿。
うどんを愛する「通」な人たちは、麺断面の「角(かど)」に注目し、麺打ちと茹での技を「角が立っている」とたたえます。角が分かればあなたも通の仲間入り!
【ざる】(つけだし)
冷水で締めたうどんをざるに盛りつけ、濃いめの「つけだし」で食べます。
▼バリエーション
【冷やし】(つけだし)
水で締めたうどんをさらに冷水の入った器にとり、濃いめの「つけだし」で食べます。
【冷やかけ】【ひやひや】(かけだし)
水で締めたうどんに、冷やした「かけだし」をかける、冷たいかけうどん。コシを求める人におすすめ。
【ひやあつ】【かけ そのまま】(かけだし) かけ
水で締めたうどんに、熱い「かけだし」。麺のコシと温かいだしの風味を楽しむ、ぬるめのうどん。こちらもコシ追求者向け。
豆知識
「ひやひや」「ひやあつ」は、特定のセルフ店で使われる専門用語。
法則は、【うどんの状態 × かけだしの状態】です。
- あつあつ → うどん 熱 × だし 熱
- あつひや → うどん 熱 × だし 冷
- ひやあつ → うどん 冷 × だし 熱
- そのまま → うどん 冷 × だし 熱(ひやあつの別名)
- ひやひや → うどん 冷 × だし 冷
「ひや」といっても水締め常温で置いた状態です。 氷水や冷水で麺を冷やすメニューは「冷やしうどん」のみ。
【ぶっかけ(冷)】(ぶっかけ用だし)
水で締めたうどんを冷たいぶっかけ用のだしで食べます。
セルフ店では好みの揚げ物などをトッピングして自分好みに!
【しょうゆ(冷)】【生醤油(冷)】(醤油)(酢)
水で締めたうどんに、醤油やだし醤油をかけて食べます。酢、ネギ、ショウガ、大根おろしやレモン、刻んだ青唐辛子なども加えて。麺食い御用達メニュー。
青唐辛子は後からびっくりする辛さがきます。少量でお試しを。塩味の強いうす口醤油を置く店もあるので、色で判断せずに少量ずつかけて確かめて。
第3段階《水で締めた麺を再び温める》
水で締めた麺を再び湯がき、加熱。セルフ店では、「テボ」と呼ばれる湯通しの用のザルにうどんを入れ、お客さん自身でうどんを湯がきます。
【かけ】【あつあつ】(かけだし)
水で締めた麺を湯がき、熱い「かけだし」をかけて食べる…要するに素うどんです。
※セルフ店で、自分で器を持ち、「テボ」を使ってうどんを温め、タンクなどからだしを注ぐ体験をしたい人は「かけ」を注文しましょう。
ちなみに…
「かけ」との違いを良く聞かれる「かやくうどん」は、かまぼこやちくわ、卵、シイタケ、天かす(揚げ玉)、お揚げ、ワカメなど5品ほどの具=「加薬」がうどんにのっています。
▼バリエーション
【あつひや】(かけだし)
水で締めたうどんを再び湯がき、冷たい「かけだし」をかけて食べる、ぬるめのうどんです。
【しょうゆ(温)】【生醤油(温)】
水で締めたうどんを再び湯がき、醤油やだし醤油、酢などをかけて食べます。
【ぶっかけ(温)】(ぶっかけ用だし)
水で締めたうどんを再び湯がき、温かいぶっかけ用のだしで。
【湯だめ】(つけだし)
水で締めたうどんを再び湯がき、湯のはった器で出されます。「つけだし」で。
※「釜あげ」との違いは、うどんが一度水で締められているところです。
第4段階《麺を煮込む、だしに具材や味付けが加わる》
具材と共にだしが調理されたり、麺が煮込まれたりするメニュー。
【肉】(かけだし)
かけうどんのバリエーション。甘辛く調理された肉がのっています。肉の味付けが「かけだし」と混ざり、味の変化が楽しめます。特産のオリーブ牛を使っている店も!
【しっぽく】
うどんにゴボウ、ニンジン、大根、シイタケ、肉、豆腐などの具材を醤油味で煮込んだ「かけだし」がかかります。里芋を入れて、秋・冬限定で提供する店が多数。
【カレー】
麺にカレーがかかったうどん。
ちなみに…
店により甘口、中辛、辛口と味に違いあり。ルーの粘りが強いまったり系、だしでのばしたカレー汁系。まったり系カレーをだしでのばせる店も。本格スパイスカレーやタイ風、つけ麺アレンジもあります。扱っていない店もあり。
【鍋焼き】
かまぼこ、肉、エビの天ぷら、卵、麩、野菜、わかめなどの具材が入りのだしで、水で締めたうどんを煮込みます。あつあつの土鍋や鉄鍋から食べます。
うどんのおともだち
薬味(無料トッピング)
- ねぎ(細身でシャキシャキした食感が特徴。)
- 大根おろし
- しょうが(つけだしには、ワサビではなくショウガを使うのが主流。かけだしに入れる人も。)
- ごま
- 天かす
- 七味、一味
オプション(有料トッピング)
- きつね
- わかめ(セルフ店では、薬味と一緒に無料で提供する店も。)
- 生卵(温泉卵やウズラの卵がある店も。)
- 肉
サイドメニュー1(トッピング可能)
- 天ぷら(揚げ物)
- 天ぷら(練り物)
- フライ
ちなみに…
讃岐の「天ぷら」は2パターン。1つは衣をつけて油で揚げたもの。もう1つは関東方面で「さつま揚げ」と呼ばれる魚介類の練り物です。
注目!
定番はちくわやげそ天ですが、ほかにもコロッケやとり天、半熟玉子や味付けされた筍、高野豆腐の含め煮の天ぷら、甘く煮た金時豆のかき揚げなど、讃岐うどん店には県外ビジターに驚かれる天ぷらの数々が並んでいます。煮物を天ぷらにする香川県独特の「文化」も味わってみてください!
セルフ店では、トッピング類はうどんと別皿に。うどんの上に先にのせると、温めるときに邪魔になり、タンクから「かけだし」をかける時には汁が飛び散ることがあります。 テーブルでうどんにのせましょう。
サイドメニュー2
- ご飯物(おにぎり類、寿司類、かやくご飯、おはぎなど)
- 一品料理
- おでん
多くのうどん店にあり。
白味噌とからしを混ぜ合わせた「からし味噌」をつけて食べます。
おにぎりやいなり寿司、おでんが必ずと言っていいほど並んでいるのも、讃岐うどん店ならではです。
一般店では、うどんを待つ間におでんなど食べたいものをセルフでテーブルに運び、精算時にお店の人に自己申告するところもあります。
讃岐うどんをもっと知りたい方は、うどん県旅ネットもチェックしてみてください。
https://www.my-kagawa.jp/
うどん巡りのみなさまへ
どの店でも、何を選んでも、おいしいうどんが食べられるのも「讃岐うどんの国」の自慢の一つです。
讃岐うどん店ならではの文化も楽しみながら、おいしい「讃岐うどん」を食べ尽くしてくださいね。
2020.12.23
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